【審査員の評価】
ワクチン接種などで、防護服を一般市民が目にする機会が一段と増えた。それは急激に需要が増えたということでもあり、品薄の時期には市販のゴミ袋を加工して急場をしのぐなど、医療現場での混乱がうかがえた。これらの報道をきっかけに、ポリ袋メーカーならではの技術・こだわりで、素早く行動を起こし、本製品を市場に供給したことを高く評価したい。着用時に頭や手の大きさに合わせて必要な範囲だけ開く首元と袖口を実現し、背面には縦一本のミシン目を付けることで、簡単に破って感染の危険性が高い前面を内側に巻き込んで脱ぐことができる。これらは、不織布の代替品ではなく、ポリ袋メーカーだからこそ実現できるアイディアを、医療従事者とともに連携して作り上げた点が高い評価につながった。

【審査員の評価】
環境対応が求められる包材業界において、使用樹脂総量が大幅に削減された本品のような製品が環境にもたらすインパクトは大きい。廃棄・リサイクル時にもモノマテリアル（単一素材）であることは重要である。本製品が評価されたのは、そういった環境性能の高さや安全性だけではなく、それを用いる飲食業界への配慮のみならず、食卓における使い勝手や、蓋の開閉感、再使用までを考慮する、最終消費者に向けられた視点である。スタッキング効率の良い、奇を衒わない自然なデザインも好感が持てる。